この記事はNishi Grover Gargによるゲスト投稿です。
マインドマップは、中心的テーマの周りにアイデアを集めて具体的なブランチに分類するというクリエイティブな手法です。マインドマップは仕事でもプライベートでも役に立つ整理・視覚化テクニックです。マインドマップは記述性に優れ、易しく、面白みもあります。
この記事では、テスト計画およびテスト設計の手法としてマインドマップを使用する方法をご紹介します。マインドマップを活用すると、ドキュメントがよりすっきりとし、アイデアが視覚化されるため、アジャイルチーム全体にとってメリットがあります。
テスト計画手法としてのマインドマップ
テスト計画を作成するときに冒しがちな誤りの第1位は、チーム全体で取り組まないことです。1人の人間の考えだけで進め、後でレビューやフィードバックを求めても、それほど効果的ではないかもしれません。いっぽう、マインドマップを利用すると、チーム全体で1つのテスト計画を一斉に作成し、必要な詳細やカテゴリを漏らさずに記述できます。
次のサンプルマインドマップは、IEEE 829規格に従ったテスト計画の主な見出しを網羅しています。このマップをテンプレートとして各セクションに詳細を記入すると、完全で具体的なテスト計画を簡単に作成できます。
下のマインドマップは、Eコマースアプリケーションで考えられる機能エリアおよび部門を表しています。各領域に複数のサブセクションを設け、その領域だけのマインドマップで実装すべき機能を列挙することもできます。
これは1つの例であり、細部まで完全に記載してはいません。もっと多くのセクションを作成し、セクション間の依存関係や相互リンクを書き込むこともできます。
テスト設計のマインドマップ
テスト対象とする機能ごとにテストのアイデアと詳細なテストシナリオを考える必要があります。テスターがセカンドオピニオンや新鮮な視点を必要とし、他のステークホルダーにレビューやウォークスルーへの参加を求める場合もあります。マインドマップは皆の意見を視覚的にまとめるのに役立ちます。
テスターは、テストアイデアを思いついたら、機能の主要なテーマを中心としたマインドマップでアイデアをカテゴライズすることができます。マインドマップの視覚的な性質は、より多くのシナリオを発見し、どの部分が集中的にテストされるかを確認し、主要な領域またはブランチに集中するのに役立ちます。この作業が終わったら、他のステークホルダーにマインドマップを見せ、意見を求めます。共同でのブレインストーミングが促され、チーム全体からできるかぎり多くのアイデアを集めることができます。
上のサンプルは、アジャイルプロジェクトのさまざまなステージでマインドマップを利用できること、また必要不可欠なドキュメントをよりすっきりと視覚的に、かつ効果的に表現するのに役立つことを示しています。マインドマップは他のアクティビティ、たとえばテスト戦略、スプリントのテストレポート作成、リリース計画、欠陥分類の作成、リリース終了レポートなどにも利用できます。
マインドマップ作成時の重要なポイント
- マインドマップは図表とカラーペンで、あるいはホワイトボードを使って手書きで作成し、そのあと写真を撮り、記録として電子メールで共有できます。
- また、仮想マインドマップを作成するツールもあります。ネットにはオープンソースのツールや有償のツールが多数あります。
- マインドマップでは、長い文章ではなく、短く簡潔な文でセクションやサブセクションの説明を記述します。
- 画像、アイコン、視覚的記号なども使用できます。
- マインドマップで使用される用語はすべてわかりやすく、チーム内で共通でなければなりません。
アジャイルテストの有用なテクニックとしてマインドマップを試してみようとするとき、これらのヒントが役に立つでしょう。
(この記事は、開発元Gurock社の Blog 「Using Mind Maps for Agile Test Planning」2019年5月3日の翻訳記事です。)