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テスト計画を作成する方法 (手順、サンプル、テンプレート)

Hannah Son著

ソフトウェア開発では、テスト計画とは、テストチームのテスト戦略、ゴール、範囲を定義するものであり、それらすべてが合わさって、究極的にはすべてのソフトウェアコンポーネントがリリースの前に適切にテストされていることを保証します。 

次の6ステップに従うことで、効率的にテスト計画を作成できます。

  1. リリース範囲を定義する
  2. タイムラインをスケジュールする 
  3. テストの目標を定義する
  4. テストの成果物を確定する
  5. テスト戦略を定義する
  6. テスト環境およびテストデータを計画する

テスト計画の作成方法

1.リリース範囲を定義する

何らかのテストアクティビティが発生する前に、リリースに向けたテスト範囲を定義することが重要です。つまり、リリースに影響を及ぼす可能性がある制約や依存関係を考慮し、リリースのタイプを確認したうで、リリースに含めるべき機能を定義します。

リリース範囲を定義する際に尋ねるべき質問には、次のようなものがあります。 

たとえば、組織が新規 E-コマースサイトをローンチするにあたって、ローンチ前にテストを行う場合、どのような情報が必要になるでしょうか?

開発者と話をしてプロジェクトの範囲を理解するにせよ、製品マネージャーと協力して新機能およびユーザーフローをウォークスルーするにせよ、範囲を定義することによって正確な情報が共有され、プロジェクトのゴール、期待値、機能に関して共通の理解を確立できます。

2.タイムラインをスケジュールする 

リリースの締め切りを設定すると、テストの時間と順序を決定するのに役立ちます。以下は、タイムラインを決定する際のヒントです。

3.テストの目標を定義する

テストの目標とは、テストを設計し実行する目的です。目標があることは、最終的にテストアクティビティの範囲を導き出し、定義するのに役立ちます。

全般的なテストの目標には以下のようなものがあります。

特定のタイプのテストの目標には以下のようなものがあります。

適切なメトリクスでテストを測定する

メトリクスはリリースの全体的な品質、特定のテストサイクルまたはテスト全体におけるテストの進捗と有効性を評価します。

メトリクスはテストプロセスおよび全体的な製品の品質に可視性をもたらし、最終的にリリース準備ができているかを判断するのに役立ちます。考慮すべきメトリクスの計算式には以下のようなものがあります。

欠陥密度

例: ソフトウェアに150個の欠陥と15,000行のコードがある場合、欠陥密度は1コード行当たり0.01です。

テストカバレッジ
欠陥検出効率(DDE)
Time to Market

4.テストの成果物を確定する

テストの成果物とは、テストの進捗を追跡するのに役立つテストの産物です。成果物は、プロジェクトおよびクライアントのニーズを満たす必要があります。テスト計画に含めることができるよう、早期に成果物を特定し、適宜スケジュールするべきです。ソフトウェア開発ライフサイクルの各フェーズにそれぞれ異なる成果物があります。テスト前、テスト中、テスト後に重視するべき重要な成果物には、以下があります。 

テスト前

テスト中

テスト後

テスト計画の内容および構成は、コンテキストによって異なります。テスト計画の作成には画一的な方法はありませんが、テスト計画作成のベストプラクティスに従うと、品質の高いソフトウェアのデリバリーに役立ちます。 

TestRailは、テスト計画作成のベストプラクティスに容易に従うことができるよう設計されたテスト計画ソフトウェアです。TestRailでは、事前条件、テスト手順、実行結果、優先度、作業見積りとともにテストケースを入力できます。 

画像: TestRailでは、再利用可能なテストケースをフォルダーで整理して構造化したり、アジャイルテスト計画を作成したり、テスト実行の進捗を追跡したりできます。

このようなレベルの柔軟性と可視性をテストプロセスにもたらすことによって、TestRailはどのような組織のテスト計画にも容易に組み込むことができます。テスト計画にどのように役立つか、TestRailの無償評価版でご確認ください。

5.テスト戦略を定義する

テスト戦略はテストのコスト、テスト作業、テスト範囲の(テスト対象として計画される)機能とテスト範囲外の(テスト対象として計画されない)機能を判断するのに役立ちます。

テストタイプの特定

どんなタイプのテストをいつ実行するか、何を手動でテストして何を自動でテストするか、自動テストの範囲、新規テストケースの作成にどの程度の作業が必要か、誰がその作業を行うかを特定することは重要です。 

いくつかの要因に基づいて、テスト計画に含めるべきテストのタイプにはさまざまなものがあります。 

実行するテストのタイプを選択する際に考慮するべき要因には、以下のようなものがあります。

テスト計画に含めることを検討するべき一般的に行われるテストのタイプには、以下があります。

手動テスト自動テストその他
•スモークテスト
•探索的テスト 
新機能のユーザビリティテスト
単体テスト
•既存の機能の回帰テスト
統合テスト
パフォーマンステスト
セキュリティテスト
•アクセシビリティテスト

リスクおよび課題を文書化する

テスト中に発生する可能性があるリスクおよびリスクの影響を文書化することが重要です。リスクには以下のようなものがあります。 

テストロジスティクスを文書化する

テストロジスティクスは、「誰が、何を、どこへ、いつ、どのように」という質問に答えられなければなりません。テストロジスティクスを文書化すると、すべての人的およびシステム関連のテストリソースが利用可能であることを保証できます。たとえば、誰がテストを実行でき、テスト中に必要になった場合に誰がサポートするかを特定することが重要な場合があります。さらに、リソースの計画を立てる際、代替リソースを指定したり、テスト計画に余裕を見込んだりすることが、プロジェクトを確実に完了するために役に立つ可能性があります。

テスト条件を確立する

テスト条件は、テストプロジェクト内のすべてのアクティビティを統制する基準です。テスト条件の主要な2つのタイプは、保留条件と終了条件です。 

6.テスト環境およびテストデータを計画する

テスト環境を計画すると、正確で安定したテストを保証できます。テスト環境には、ソフトウェアテストのためのハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク構成が含まれます。次の手順に従って、テスト環境をセットアップします。

1ページのテスト計画テンプレート

テスト計画 タイトル
作成者: John Doe
1.はじめに 
 •エグゼクティブサマリー (簡潔に)
2.テストリソース
 •テスター名と役割
3.テストの範囲
 •範囲内: テスト対象モジュール
 •範囲外: テスト対象ではないモジュール 
4.テストアプローチ
 •テストアプローチおよび手法
 •実施するテストのタイプ (例: 機能テスト、パフォーマンステスト、セキュリティテスト、ユーザビリティテストなど)
5.テストスケジュール
 •各テストフェーズのタイムライン
6.リスクおよび問題
 •テストプロセスに関するリスク
 •特定されたリスクの軽減策

テスト計画が1ページに収まらなくても、心配はいりません。肝心なのは、不要な情報を最小限にし、ステークホルダーおよびテスターが計画を実行するために不可欠な情報を捕捉することです。

テスト管理ツールでのテスト計画

テスト管理ツールは、テスト計画作業にも役立ちます。目標がよりアジャイルになることであっても、テスト計画を加速することであっても、TestRailのようなテスト管理ツールで包括的でアジャイルなテスト計画を作成するには、効果的なアプローチがあります。

  1. マイルストーン

TestRailでは、マイルストーンとは、テスト成果物を集約し、同一の成果物に関連するさまざまなテストアクティビティを追跡するコンテナーです。たとえば、TestRailでマイルストーンを作成してリリースを追跡し、関連するすべてのテストランおよびテスト計画を接続すると、該当リリースで行うさまざまなアクティビティをすべて1箇所で参照できます。

画像: マイルストーンおよび進行中のテストプロジェクトをすべてTestRailで管理します。

TestRailのマイルストーンには説明フィールドがあり、1ページのテスト計画を記載するのに最適の場所です。開始時からテスト計画情報をすべてマイルストーンに関連付けると、計画時に定期的に見直して、「何がテスト範囲に入るか」「何がテスト範囲に入らないか」「何をテストして何をテストしないか」「このマイルストーンでは自動テストを実行するか」といった質問に答えを出すのに役立ちます。 

マイルストーンは、実際のテスト管理ツール内でテスト計画情報をすばやく見直す効率的な方法を提供します。

  1. テストケースの優先度およびタイプ

テストケースは、何をテストするかをあらかじめ定義します。本質として、テストケースは何を実行するかの概略を実行前に記述するものです。TestRailでは、多数の階層に基づいてテストケースを整理できます。これは、テスト計画の構築を開始する際のキーとなる方法です。

たとえば、高機能なメッセージングアプリを開発している場合、アプリの最もリスクの高い領域は、アプリをインストールして実行できなければならないという点です。この例では、この領域のスモークテストからテストを開始し、より詳細な機能テストや探索的テストを行うとよいでしょう。

テストケースの優先度や特定のテストケースで採用する予定のテストアプローチをあらかじめ把握することは、事実上、テストケースの計画を始めることです。 

画像: TestRailのテストケースリポジトリを優先度を基に整理します。
  1. テストレポート

TestRailなどのテスト管理ツールを使用してテストを実行すると、リアルタイムのレポートを利用できるため有用です。たとえば、TestRailで計画を作成し、テスト計画に沿って実行している場合、TestRailのマイルストーンサマリーレポートなどのレポートは、当初のテスト目標、当初の1ページのテスト計画、マイルストーンに追加されたすべてのテストランおよび計画、割り当てられた優先度などを表示します。レポートをダウンロードしてチームや他のステークホルダーと共有することもできます。 

画像: マイルストーン(サマリー)レポートを使用すると、プロジェクト条件を付加し、マイルストーンのアクティビティをわかりやすく共有可能な形で解釈して視覚化することができます。

 プロジェクトが複雑になるにつれて、スプレッドシートをテスト計画テンプレートとして使用するのは煩雑になり、より洗練されたアプローチが必要になります。TestRailなどのテスト管理ツールを使用して、テスト計画を最大限に柔軟にしましょう。

(この記事は、開発元Gurock社の Blog 「How To Create A Test Plan (Steps, Examples, & Template)」2023年8月21日の翻訳記事です。)

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