サイトアイコン TestRail Blog

適切なテスト ケース管理ツール選択の鍵

Hannah Son著

この記事はPeter G. Walenによるゲスト投稿です。

よくテスト管理に最適なツールは何かと尋ねられますが、その答えは、相手が「テスト管理」という言葉で何を指しているか――つまり、人やプロセスの管理なのか、それともテスト ケースの管理なのか――によって異なります。多くの人はその違いに気づいていませんが、これは極めて重要なことです。人は「リソース」ではありません。いっぽう、ツールは「リソース」です。この記事では、テスト ケースの管理に焦点を当てます。

適切なツールを選ぶための鍵は、どんな問題を解決しようとしているのかを明確にすることにあります。明確な目標や解決すべき課題がなければ、どんなツールや手法も効果を発揮できません。ニーズを把握することは、チームに適したテスト ケース管理方法を選択するための第一歩です。

テスト ケース管理の基礎

効果的にテスト ケースを管理するには、いくつかの基本的な要件に対応できなければなりませんが、現代のツールがどの程度効率的に要件に対応できるかは、ツールによって異なります。1990年代半ば、私は計画されたテスト、実行されたテスト、合格したテスト、不合格となったテストに加えて、発見されたバグ、修正されたバグ、そしてバグの影響までをスプレッドシートで管理していました。この方法により、進捗状況の概要を迅速に把握したり、問題のある箇所を特定したりすることができましたし、テスト プロセスの改善にも役立ちました。

こうした基礎的なニーズは今でも存在していますが、今日のテスト管理ツールは、より高度な機能を提供しています。テスト ケース管理ツールを選定する際に考慮すべき重要なポイントは以下のとおりです。

ワークフローを支援する 

開発しているソフトウェアによっては、特定の操作手順が定められている場合もあれば、顧客による「一般的な」使い方が明確に定まっておらず、完全に自由な使い方ができる場合もあるでしょう。多くの組織は、ソフトウェアの利用時に想定される操作手順を、開発やテストのワークフローにも反映しようとします。

ユーザー パスの視覚的マッピング

私は、テスト対象ソフトウェアでユーザーがたどる可能性のあるパスを図示するのが好きです。これは以下を理解するのに役立ちます。

テスト実行の柔軟性

どのようなワークフローであっても、ツールの推奨するやり方に私が合わせるのではなく、ツールのほうがこうしたワークフローのパスに歩み寄ってほしいと私は考えます。主な検討事項として以下のようなものがあります。

恣意的な失敗を避ける

私が最も避けたいのは、指定された順序でテストを実行しなかったという理由だけで、ツールがテストを「失敗」と判定してしまうことです。たとえば、あるテストが別のテストの後に実行されるように設計されていたが、優先順位の変更によりその順序が守られなかった場合、そのテストを失敗と見なすべきではありません。

よいテスト プラクティスを推進する

チームがテストでよい仕事をするには、ツールは以下の条件を満たす必要があります。

テスト ケース、開発タスク、作業項目

多くのチームや組織は、依然としてテスト ケースと開発タスクを別々に管理しています。しかし、両者が関連付けられていなければ、ソフトウェアの機能とその検証状況を把握することが非常に難しくなります。

連携の重要性

テスト ケース管理ツールが設計タスクや開発タスクと連携されていなければ、「テストは後回し」という考え方が助長されます。よい結果を出し、手戻りを減らし、納期を守るには、テストと設計・開発プロセスを密接に連携させる必要があります。 

この連携を実現するための具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 共同計画:計画段階において、テスター、開発者、デザイナー間のコラボレーションを促進し、テスト 作業と設計・開発の目標を一致させます。
  2. 連携されたワークフロー:テスト作業を全体的な開発プロセスにシームレスに組み込むワークフローを導入します。これにより、テスト作業が別個の要素ではなく、開発ライフサイクルの不可欠な一部として捉えられるようになります。
  3. 継続的なフィードバック ループ:テスター、開発者、デザイナーの間で継続的なフィードバック ループを確立し、問題の早期発見と解決を促進します。定期的なコミュニケーションとフィードバックのやり取りは、潜在的な問題を発見し、先手を打って対処するのに役立ちます。

作業の妨げを防ぐ

設計、開発、実装タスクとテストを連携できないツールは、作業の妨げになります。1990年代初頭には、スプレッドシートを使ってテスト作業を管理するのが一般的でした。しかし、現在では、スプレッドシートだけでテスト作業を管理する方法では、求められる連携や効率性に十分対応できない場合があります。スムーズで効率的なワークフローを実現するため、現代のツールは連携をサポートしていなければなりません。

問題の追跡

バグ、不具合、異常な動作――これらは避けられないものです。問題を効果的に追跡することが不可欠です。理想を言えば、テスターと開発者が直接コミュニケーションを取り、問題を迅速に解決できることが望ましいでしょう。しかし、開発からかなり時間が経過してからテストが行われる場合や、異なるタイムゾーンの拠点間でテストを行う場合などでは、直接のコミュニケーションが必ずしも可能とは限りません。そのような場合、堅牢な問題追跡システムが欠かせません。

問題追跡の主な要件

  1. 問題の記録:問題を記録し、特定の開発タスクに関連付ける仕組みを実装します。
  2. 割り当てと調査:問題を適切なチームメンバーに割り当てます。進捗状況を追跡し、適切なタイミングで解決されるようにします。
  3. 透明性の高いワークフロー:問題解決のプロセスを可視化し、問題の調査や対応がいつ行われる予定なのか、現在どの段階にあるのかを把握できるようにします。
  4. フィードバック ループ:テスターと開発者の間のフィードバック ループを確立します。不具合の報告と修正がテストチームと開発チームの間で何度繰り返されているかを追跡します。この回数が多い場合、テスト シナリオが不明確であったり、コードが複雑でレビューやリファクタリングを必要としていたりする可能性があります。
  5. 継続的改善:問題追跡データを定期的に分析し、傾向や改善すべき点を特定します。問題追跡プロセスと製品全体の品質を向上させるため、反復的な改善の仕組みを作ります。

問題を効果的に追跡し、解決することで、パターンを特定してプロセスを改善でき、結果として製品の品質向上が実現します。

作業負荷の追跡

プロジェクトに携わるチームにテスターが1人か2人しかいない場合、誰が何を担当しているかはかなり明白でしょう。それでも、誰が何をテストしているかを「知っている」だけでは完ぺきとは言えません。やるべきこととして何が残っているか、またその優先順位がどうなっているかを確認するのは、また別の話です。

私は、プロジェクトの作業量の見積りをそれほど重視していません。必要なテストの量は、通常、その機能の開発作業量からある程度推測できます。しかし、テストの作業量を判断する際には、開発工数の見積り以上に、その機能が及ぼす影響の大きさを重視しています。ある機能の影響範囲が広ければ広いほど、その評価にはより多くの労力がかかると予測します。 

タスクの規模や範囲は、直接関与しているメンバーだけでなく、プロジェクトに関心を持つすべての人がすぐに把握できるようにしておく必要があります。私は、チームが使用するツールは、いつでも進行中の作業量や今後予定される作業量を正確に反映できることが望ましいと考えています。

チームの規模にかかわらず、誰が何を担当しているかを可視化できることは極めて重要ですが、それに加えて、本当の意味での効率化には、予定されているタスクや全体的な作業量を把握することが不可欠です。

画像: 個々のテストの実行からテスト ケース承認プロセスの確立に至るまで、あらゆることを容易に管理できます。チームの集合知を最大限に活用し、チームメンバーがいつ何に取り組むべきかを確実に把握できるようにしましょう。

見積りよりも影響を重視する

見積られた作業時間にこだわるよりも、各タスクの影響範囲を評価することを優先しましょう。通常、必要なテストの量は、その機能の開発作業量と一定の相関があります。影響範囲が広い機能ほど、より広範なテストが必要となる場合が多いでしょう。

すべてのステークホルダーに対する透明性

透明性は重要です。直接関与しているメンバーだけでなく、すべてのチームメンバーおよび関係者がタスクの規模や範囲を参照できるようにするべきです。これにより、全員が現在の業務量を把握し、効果的に貢献できるようになります。

具体的な戦略

作業負荷が問題にならないよう管理するために、以下の戦略を実施します。

  1. タスクの可視化: 進行中のタスクや保留中のタスクを含め、すべてのタスクを関係者全員が確認できるようにします。コラボレーション プラットフォームやツールを活用して透明性を確保します。
  2. 影響の評価:テスト作業の優先順位を決定するために、各タスクの影響を継続的に評価します。効率を最大化できるよう、影響の大きい領域に注力します。
  3. 定期的な更新:タスクの進捗状況や作業負荷の配分について、こまめに更新情報を提供します。これにより、全員が情報を入手し、プロジェクトの目標に沿った行動をとることができます。
  4. 作業負荷の最適化: プロジェクトのニーズや各メンバーの作業負荷に応じてタスクを適切に割り当てます。特定のメンバーに負担が集中しないよう調整し、納期を守れる体制を整えます。

アジャイル ツールの選定

チームや開発環境内でのアジャイル手法の推進にツールを活用できます。私がこれまで使ったツールは、設定方法や実装方法によって、柔軟性がそれぞれ異なりました。最も重要な点は、アジャイル手法を効果的に支援できるようツールを調整できるかどうかです。

アジャイル ツールの選定における重要な考慮事項

  1. ニーズの把握:ツールの設定を行う担当者が、チームの要件や目標を十分に理解していることを確認します。それには率直な対話が必要であり、最適な方法を見極めるために、場合によっては試行錯誤も必要となるでしょう。
  2. カスタマイズ: 「汎用的」なアプローチで間に合わせないようにしましょう。特定のアジャイル手法やワークフローに合わせてカスタマイズできる機能を備えたツールを選ぶようにしましょう。
  3. ユーザー中心のアプローチ:エンドユーザー、つまりツールを毎日使用する人々のニーズを最優先に考えましょう。汎用的な設定や標準設定のままの導入はセットアップを効率化できるかもしれませんが、チーム固有の要件には対応できない可能性があります。

具体的な手順

アジャイルに適したツールを効果的に選択するには、以下の実践的な手順に従います。

テスト ケース管理ツールの導入およびインストール 

ツールを選択したら、そのツールを自社の環境に導入するには何が必要かを確認します。私はこれまで「標準インストール」のまま導入した結果、何度も苦い経験をしてきました。 

「標準インストール」でチームのニーズにぴったり合うようなツールは、これまで見たことがありません。ツールのインストールや初期設定を始める前に、必要な構成やユース ケースを整理し、それに基づいて導入・設定手順を策定しておく必要があります。 

通常、ツールの導入は「ソフトウェア プロジェクト」とは見なされませんが、それが問題を引き起こすケースがよくあります。ツールの導入はソフトウェア プロジェクトであり、導入にあたってどれだけ熟慮するかによって、利用するチームがツールを「素晴らしい」「役に立つ」と思うか、それとも「負担」だと思うかが決まります。

IT部門やサービス管理部門が実際の導入作業を担当する場合、利用するチームの要件を事前に把握することが特に重要です。顧客のニーズを理解せずにソリューションを開発・導入するべきではないのと同様に、社内ツールの導入でも利用者のニーズを十分に考慮する必要があります。自分たちが使用するツールについても、同様のアプローチを採るべきです。

テスト管理プロセスを効率化する準備はできていますか?TestRailツールのツアーをご覧になるか、今すぐ30日間の無料TestRailトライアルを始めましょう!TestRailは、アジャイル手法に適合するために必要な柔軟性とカスタマイズ性を備え、シームレスな導入と利用を実現する使いやすい操作性を提供します。

Peter G. Walenは、ソフトウェア開発、テスト、アジャイルプラクティスで25年以上の経験を持っています。チームがソフトウェアの動作や他のソフトウェアとの連携、さらにはソフトウェアを利用するユーザーについて理解を深められるよう、支援に力を注いでいます。Agile Alliance、Scrum Alliance、American Society for Quality (ASQ)のメンバーであり、ソフトウェアミートアップに熱心に参加し、カンファレンスでもたびたび講演しています。

(この記事は、開発元Gurock社の Blog 「Choosing the Right Test Case Management Tool: Key Factors」2024年6月18日の翻訳記事です。)

関連する製品

テスト管理ツール TestRail

テストケースの管理やテスト結果の記録、チームでの情報共有など、Excelを使ったテスト管理の業務に限界を感じていませんか?TestRailはシンプルで使いやすいUIを提供し、テストにかかるさまざまな管理コストの削減に貢献します。

■ TestRailの特長 ■

日本国内では、テスト管理にExcelを使っていたお客さまからの乗り換えが多く、Web上で完結するテスト管理を実現されています。

TestRail でテスト管理のお悩みを解決しませんか?

モバイルバージョンを終了