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テレワークにおいてテスト管理ツールを活用する


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最近、 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) の影響でテレワーク(在宅勤務、リモートワーク)を導入する企業が増えています。テレワークでは、オフィス内での仕事と異なり直接顔を合わせての会話ではなく、通話でのコミュニケーションが中心となります。また、気軽に話す機会が減ってしまうため、コミュニケーション不足による認識違いやミスが発生しやすくなるかもしれません。今回はこういった環境下において、テストを行う際にどのような課題があるか、また円滑にテスト活動を進めるためのポイントをご紹介します。

テレワークにおけるテスト

テスト対象がネイティブアプリケーションの場合は、事前に手元に用意しておく必要があるかもしれませんが、少なくともテスト対象となるシステムとテストケースさえあれば、テスト自体はテレワークでも問題なく実施できます。

ここで一つのケースについて考えてみましょう。あなたはテスト担当者として、自宅でテストを行っています。テストケースは一般的によくあるようにExcelにまとまっていると想定します。テストを実施中にテストケースに誤りがあり修正が必要なことに気がつきました。通常であれば、ファイルを更新しているメンバーが他にいないかどうか確認し、変更したファイルをファイルサーバー上に配置すれば終わります。しかし、テレワークでは勝手が異なります。例えば、セキュリティの観点から社内のファイルサーバーへのアクセスができないために、ファイルをメールで送って共有する必要があるかもしれません。あるいは、Microsoft Teams等を利用したExcelファイルの共同編集が許可されている場合でも、意図せずに他の人の変更を上書きしてしまうといった事故が発生してしまうかもしれません。また、複数人による同時編集が行われていると、原因を突き止めたり変更を元に戻したりする作業は困難を極めます。

さらに別のケースも考えてみましょう。あなたはテストの実施をテスターに指示する立場だとします。テストをアサインしたい時、先の例のように共同編集ができれば、セルごとに担当者名を記入して割り振ればよいかもしれませんが、もしそれが難しい場合は、各担当者が分かりやすい形でファイルを分割してそれぞれに配布する必要が出てくるかもしれません。また、テスト結果をレビューする際はどうでしょうか。各担当者から結果が個別に返ってくるため、沢山のファイルをチェックすることになり、それぞれの結果をまとめる作業にも手間がかかります。また、テストのエビデンスについてもテスト結果とは別に共有する必要があります。テストケース、テスト結果、テストのエビデンスがバラバラなので、テスト結果のレビューや集計には大きな労力がかかります。

ここまで見てきたように、テレワークでのテストには下記のような課題がありました。

テスト管理ツールを活用する

ここまで、テレワークにおけるテスト実施には様々な課題があることを見てきました。それらの課題に対する最適解の一つとして、例えばTestRailのようなテスト管理ツールの利用が挙げられます。テスト管理ツールは多くがWebベースのシステムであり、ブラウザ経由でのアクセスとなるため簡単に利用ができます。

対策:テストケースの変更を共有するのにミスが発生しやすい

テストケースの変更の際のミスを防止するためには、変更や共有が簡単にできることが重要です。

テスト管理ツールを利用した場合のテストケースの変更について考えてみます。Webブラウザの画面から編集を行うだけなので非常に簡単ですし、変更を行った場合は履歴が残るため、誰がどのような変更を行ったのかすぐに把握できます。

テストケースはWebブラウザー上で簡単に編集でき変更履歴が残るため誰がどの箇所を変更したかが分かる
(アニメGIF)

対策:テストのアサインや指示に手間がかかる

次に、テストのアサインについて考えてみましょう。Excelファイルへのアサインの記入やファイルの分割ではアサイン自体ではなく、後のテスト結果の集計の手間も増えてしまいます。

テスト管理ツールでは、各テスト担当者へのアサインは数クリックで簡単にできますし、テスト担当者はレビューが必要な結果については「レビュー待ち」であることが分かるようなステータスにしておけば、レビュー担当はどの結果を確認する必要があるか一目で把握することができます。

テストのアサイン状況やテスト結果(ステータス)がリアルタイムに把握できる

対策:テストケースやテスト結果、エビデンスがバラバラなのでレビューや結果の集計に労力がかかる

テストケースや結果はExcel、エビデンスは共有サーバーにバラバラに保管されているとテスト結果のレビューや集計に時間がかかります。

テスト管理ツールでは、テストケース、テスト結果、テストのエビデンスがツールで一元管理されます。テスト結果にテストのエビデンスを直接添付することができるため、レビューの際に手動で散らばった情報を集約する必要がなく、一つの画面上でまとめて結果を確認することができます。

テスト結果に対するエビデンスを添付したり画像を埋め込んだりすることが可能(アニメGIF)

さらに、テスト管理ツールを利用することでテストの消化や進捗状況を把握することが容易になります。

テストの成否割合や未実施のテストの件数が把握しやすい
テストの消化率や完了見込み日を視覚的に確認することが可能

加えて、前述のようにテストケースや実行結果、エビデンスといったテストに関する情報が一か所にまとめっているため、Web会議システムを利用した進捗報告やレビュー会も効率的に実施できます。また、テストのレポートが出力できることに加え、レポートを定期的に出力し、関係者宛にメールで送付することもできます。

テスターごとのテストの残件がすぐに分かるため進捗報告に利用できる
テストのレポートを定期的に出力し、関係者宛にメールで送付することが可能

まとめ

テスト管理ツールを導入することでテレワークにおけるテストの課題はどのように解決できたでしょうか。

課題解決方法
テストケースの変更を共有するのにミスが発生しやすい テストケースの変更が容易で履歴が残るためミスが発生しても対処ができる。
テストのアサインや指示に手間がかかる テストケースを個別に配布することなく、開発チームで1つのテストを共有し、アサインできる。さらに進捗もリアルタイムで把握できる。
テストケースやテスト結果、エビデンスがバラバラなのでレビューに労力がかかる テストに関連する情報が集約されておりレビューの手間が減り、結果を集計のための情報が集めやすい。

テスト管理ツールを利用するメリットについては充分に理解できたのではないでしょうか。

それでは最後に、テスト管理ツールを活用したテスト活動の具体的な運用例を挙げてみたいと思います。

今後テレワーク環境を整備、推進する企業はますます増えていくと考えられます。自宅でもオフィスでも効率的にテストを行うために、テスト管理ツールの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

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