TestRail 9.4.1の新機能「ラベル機能」とは?テストケース/テスト管理を効率化する活用術

TestRail 9.4.1新機能!テストケース/テストのラベル付け機能の活用術

大量のテストケースやテスト結果をどのように分類・管理していますか?
テストの抜け漏れやアサインミス、レビュー工数の増大に課題を感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、TestRail 9.4.1で新たに追加された「ラベル機能」を活用し、テストケース管理・テスト実行・レビューを効率化する具体的な方法をご紹介します。

本記事は以下のような方におすすめです!

  • 膨大なテストケースを上手く分類し、テスト設計の抜け漏れを防ぎたい方
  • テストのアサインやテスト結果のレビューをスムーズにしたい方
  • TestRailのラベル機能の存在は知っているが活用方法がわからない方

テストケース/テストのラベル機能とは?(本記事の要約)

2025年11月15日にリリースしたTestRail 9.4.1より、テストケース及びテストに対して、任意のラベル付けができるようになりました。

ラベルを活用したテストのフィルタリング、並べ替えができるため、テストの分類や必要なテストの絞り込みがしやすくなります。

TestRailラベル機能

機能カテゴリや開発領域、テスト対象の機種など多様なラベルを活用することで、テストケースの抜け漏れ防止やアサインの最適化など、テスト管理のさらなる効率化が期待できます。

ラベル機能の詳細は以下のページをご参照ください。

TestRail製品ページ

ラベルの活用例

テストケース/テストに付与するラベルの活用例をご紹介します。

テストケースラベルの活用例

機能カテゴリをラベルにして、テスト設計やテストの優先度付けに利用する

「決済処理」、「ユーザー管理」、「商品管理」などの機能カテゴリをラベルにします。

TestRailテストケースラベル

テスト設計者はこれらのラベルを活用し、テストケースに抜け漏れがないかを簡単に確認できます。例えば「ユーザー管理」カテゴリのテストが極端に少ない場合は、テストケースの追加や設計の見直しを検討します。複数のラベルを付与できるため、さまざまな分野にまたがるテストケースも分類しやすくなります。

また、「決済処理」など不具合が発生すると重大な問題に繋がりやすい機能については、優先的にテストを実施します。

テスト開始時に「決済処理」のラベルがついたテストから先に実施することで、重大な不具合がテスト終盤で見つかり、大幅な手戻りが発生することを防げます。下の図の例では「テストケースラベル」でソートしているため、テストが機能カテゴリごとにまとまって表示されています。

TestRailテストケースラベル

開発領域をラベルにして、適切なテスターのアサインに利用する

「フロントエンド」、「バックエンド」、「データベース」、「モバイルアプリ」などの開発領域をラベルにします。

TestRailテストケースラベル

テストケースを選定してテストランを作成する際に「フロントエンド」のラベルがついたテストケースを選択し、フロントエンドのテスト経験が豊富なテスターにテストをアサインするのに利用します。

下の図の例では、テストラン作成時に「特定のテストケースを選択」を選び、「フロントエンド」のラベルがついたテストケースをフィルタリングしています。

TestRailテストケースラベル

テストランの作成後にテスターをアサインする場合も、ラベルを確認しながら割り当てることで、より適切なアサインに繋がります。

テストラベルの活用例

テスト対象の機種をラベルにして、快適なテスト実施や簡単な選択肢の追加に利用する

「Google Pixel 6」、「Xperia 10」、「Galaxy S21」などのテスト対象の機種をラベルにします。

TestRailテストラベル

テストランの作成後に、テストが必要な機種をラベルで付与します。機種ごとにフィルタリングやソートを行うことで、機種ごとのテストがしやすくなります。

新機種が発売された際にも、ラベルを新しく追加すれば良いので、従来のカスタムフィールドのように選択肢の追加を管理者に依頼する必要はありません。下の図の例では、新しい機種「Google Pixel 7」のラベルを追加しています。

TestRailテストラベル

レビュー項目や対応事項をラベルにして、レビューや事後対応の目印として利用する

「要仕様確認」、「要テストケース修正」、「要テスト環境確認」、「要パフォーマンス検証」のように、レビュー時の確認事項やテスト後に対応が必要な項目をラベルにします。テストのステータスと組み合わせて、レビュー項目や事後対応が必要な項目の目印として利用します。

TestRailテストラベル

具体的には、以下のようなラベルの運用が考えられます。

ステータスラベルの例ラベルの用途
Review要仕様確認テスターがレビュアーに対して、仕様が不明確のため確認してからテスト結果を見てもらいたいことを示す。
Review要テストケース修正テスターがレビュアーまたはテスト設計者に対して、テストケースに誤りや不備があるため修正が必要であることを示す。
Retest要テスト環境確認テスト環境に関連する問題が原因でテストが失敗した可能性があるため、再テストの際に環境の確認や更新が必要なことを示す。
Retest要パフォーマンス検証初回のテストでパフォーマンスに問題がありそうだったため、再テストの際にパフォーマンス検証が必要であることを示す。

このようなラベルの項目をテストのコメントに記載することも可能ですが、1件ずつテストを開いてコメントを確認すると手間がかかる場合もあります。

ラベルで管理すれば、例えばテスト実施時にテストケースの修正が必要と気づいたら、「要テストケース修正」のラベルを付けておき、後ほどラベルでフィルタリングして対象のテストケースをまとめて更新していく運用が可能です。

下の図の例では、「要テストケース修正」のラベルでフィルタリングして、対応が必要なテストケースのみ表示しています。

TestRailテストラベル

補足:ラベルとカスタムフィールドの違い

従来は、テストを分類する場合、管理画面より複数選択可能なカスタムフィールドを用意する必要がありました。ラベル機能によりそれが不要になり、より簡単なテストの分類が可能となりました。

ラベル機能と従来のカスタムフィールドには、主に以下のような違いがあります。テスト運用の柔軟性という点で、ラベル機能は特に有効です。

ラベルカスタムフィールド
利用方法テストケース/テストラン画面から自由に項目を追加
フィールド名と選択肢はない
フィールド名を定義し選択肢を用意
テストケース/テストラン画面から選択肢を選ぶ
テストケース/テストラン画面から新しい項目(ラベル・選択肢)の追加可能
※ケース/結果の編集権限が必要
不可
※管理画面で設定した選択肢(オプション)の指定のみ可能
項目の複数選択可能可能
※フィールドのタイプが
Multi-select/Dropdown の必要あり

ラベルは、システム管理者権限がなくてもテストケースやテスト結果の編集権限があれば自由に付けられます。新しいラベルの追加も自分で簡単に行えるため、わざわざ管理者に項目や選択肢の追加を依頼する必要はありません。テスト作成者やテスターが思いついたときにすぐラベルを追加できるので、便利です。

まとめ

TestRail 9.4.1でラベル機能がリリースされました。ラベルを活用することでテストケースやテストの分類・フィルタリングがより簡単になりました。機能カテゴリや開発領域、機種など多様なラベルを活用することで、テストケースの抜け漏れ防止やアサインの最適化など、テスト管理のさらなる効率化が期待できます。

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