突然リモートで働くことになったら

この記事はPeter G Walenによるゲスト投稿です。

おおぜいの人が、本人も勤務先も準備のない状態で、突然「在宅勤務」または「リモートワーク」に放り込まれました。あまり不都合を感じていない人もいます。自身と家族全体に大きな調整が必要となった人もいます。この突然の変化を乗り切り、あわよくば「ニューノーマル」において成功するための方法を考えてみましょう。

多くのITおよび技術ワーカーにとって、「在宅勤務」は「よその会社」がやっていることでした。単に他人事だったのです。そんな人たちに対して、思いもよらぬ形で現実が突きつけられています。
突然、在宅勤務へ移行しただけでなく、多くの場合、家族全員が家にいることになりました。長期にわたって空間を共有することは困難で、ストレスを誘発する可能性もあります。

それに加えて、世界的にパンデミックが広がり、対応は定まらず、人々が情報源として頼るさまざまなソースから矛盾する情報が発信されています。その結果、完全に恐怖とはいかないまでも、不安が渦巻いています。

この記事は、何もかもを解決する手助けにはなりませんが、ここに挙げるヒントは、個々のメンバーやマネージャーに、困難な時期を潜り抜け、うまく浮上する方法を示唆するかもしれません。

マネージャーに

メトリクスを忘れましょう。通常の「成功要因」を忘れましょう。OKRを忘れましょう。ソフトウェアに遅れが生じないよう、デリバリーをせかすことを忘れましょう。物事は遅延するでしょう。クライアントや顧客も右往左往していることでしょう。「通常のビジネス」は数週間前に終わったのです。今はただ、みながそれを実感する途中だというだけです。

問題は、平時にどれだけチームメンバーが優秀で集中できていたとしても、今は平時ではないということです。現在起こっていることで悪影響を受けているだろう家族や、友人や、大切な人たちを心配する余裕を持たせてあげましょう。適応するための時間を与えましょう。

それは、期待値を設定しないということではありません。ただゆるやかにするのです。今の恩情は、おそらく将来に思い出されるでしょう。

みながリモートワークを成功させるために必要なものを持っているかを確認しましょう。

ふだんから、ラップトップの画面以外に使うモニターがありましたか?あれば、大きな見やすい画面で作業するのが楽になるでしょう。オフィスからモニターを持って帰るのが現実的でなければ、いくつか注文して配送を手配します。マウスやキーボードも同様です。必要な物理的備品を与えましょう。

みながマイク付きの適切なヘッドセットを持っていることを確認します。たいていのデスクトップまたはラップトップの「内蔵」スピーカーやマイクは、バックグラウンドノイズがない場合はよいでしょう。あなたも含め、全員にある程度のバックグラウンドノイズがあることを予期しましょう。

さらに、全員がPC搭載のカメラか、またはラップトップの正面だけではなく自由な方向に向けられる別個のウェブカメラなど、使えるカメラを持っていることを確認します。これは、できるかぎり「対面」の感覚を維持するのに重要です。

それぞれのメンバーと個別に連絡を取ります。優しい言葉と心からの「あなたはどう?」は、相手を単なる「リソース」ではなく人間として心配しているというメッセージを届けるのに非常に有効なこともあります。このように尋ねるとき、プロジェクトや仕事のことは尋ねないようにします。少しの間、息抜きしてもらいましょう。相手がプロジェクトや仕事について話しだしたら、家族を優先して構わないのだと安心させます。プロジェクトステータスについては、また別の機会があるでしょう。

相手をリラックスさせるように心がけましょう。現実的でない希望を抱かせたり、将来の予測をするのはやめましょう。単に、相手が人間的でいられるようにします。自分も相手に対して人間的でいましょう。
結束力のあるリモートチームを作るのに、人間同士の絆は、どんな行動よりもはるかに力があります。

ミーティング、セレモニー、タッチポイント

ステータスミーティング、タッチポイント、デイリースタンドアップ、チェックイン、レトロスペクティブ。何であれ、チームが行っているものは継続しましょう。難しいのは、みなが別々の場所にいるときにどうやって行うかです。よくわかります。

誰もが未知の領域に対処しているのですから、「{X}については、いつ集まれるか」について話し合ってみるのもよいかもしれません。オフィスとは異なる時間帯で活動している人もいるでしょう。それを受け入れたうえで、なんとか全員に都合のよい時間を探しましょう。

全員の「ほとんど」が出席できる時間は、あまりいい候補ではないでしょう。もし、誰かの子供の学校が休校になり、ほかに面倒を見る大人がいないので、子供の世話をしなければならない状況にあったら、調整して合わせます。柔軟にやりましょう。全員が協調する必要があります。

コラボレーションのツールはいろいろあります。ミーティング関連の支援ツールもあります。おそらく、あなたの会社には「推奨」ツールがあるのではないでしょうか。すばらしい。まずそれで始めましょう。さらに、第2、第3の選択肢を持つことをお勧めします。1つがクラッシュしたり開始できなかったら、次のものを使います。

インスタントメッセージもよいですが、画面でお互いに顔を見るのは「ふだん」の感じを出すのに役立ちます。できるだけカメラをオンにするのを「ルール」にしましょう。みなが1つの接続を使おうとして、誰かのウェブ接続のトラフィックが重くなりすぎたら、それもかまいません。そういうことはあるものです。全員がなるべく多くの時間「画面上」にいられるよう――特に発言している間は――できるかぎりのことをしましょう。

可能であれば、常時接続を確保して、ちょっと集まって話し合いができるようにします。「通りすがり」や立ち話に相当するものです。空気感を維持しましょう。できるだけ現実的な感覚や活気を保つようにします。

人間、常に気楽な状況ばかりにはいられません。不機嫌になることもあります。ストレスに負けて、怒りっぽくなることもあるでしょう。誰もがこのことを承知しておく必要があります。誰もができるかぎり思いやりを持つ必要があります。お互いを思いやりましょう。ほかの誰かが、今までグループには知らせていなかった事情を抱えているのを知ることもあるかもしれません。

少しの共感で物事はずいぶんと違います。共感は、非常時におけるチームの機能の助けにもなります。

チームメンバーに

リモート従業員、あるいはチームメンバーとして「うまくやる」方法については、膨大な記事や事例、書籍までがあります。中には優れたものもあります。悲しいことに、今世に出ているものの中には、誰にもあてはまらないような条件を前提としているものもあります。

私が懸念するのは、「理想的」な環境になく、対処すべき負荷をほかに抱えている人たちのことです。在宅勤務に適したホームオフィスの作り方を取り上げるのはよいでしょう。オフィスが現実的でなければ、ワークステーションを置く場所を作る方法を取り上げるのもよいでしょう。スペースが許すかぎり、どちらも適切な選択肢です。

本当にスペースがなかったら?ソファでラップトップを使って仕事をするのも、病気や荒天のときなど、1日2日のことなら、それで済むかもしれません。しかし、長期的には現実的ではありません。

これにあてはまる場合、生活空間にいるのが自分だけなら、つまり一人暮らしなら、可能な選択肢はいろいろあります。私は過去に、折り畳み式の小さなテーブルとそれなりの椅子を「臨時オフィス」として使っていたことがあります。必要に応じて片づけたり、あるいはそのままにもできます。ワンルームのマンションだと、困難が伴うかもしれませんが、アイデアとしては同じです。

空間を共有する重要な他者がいる場合、そして相手も在宅勤務している場合は、より複雑な問題になります。すでに「オフィス」として割り当てられたスペースがないとしても、どうにかすることはできます。やはり簡単なことではないかもしれませんが、もっとよいやり方を考え付くまでなんとかやっていけば、直近のハードルを越えられるでしょう。

そしてここに、学校や大学が休校になって、子供がeラーニングで講習を受ける可能性が加わります。こうなると、かなりの数の要素を同時に扱わなければなりません。

わかります。実際に経験した者として、私の提案は次のとおりです。

あるエリアを家の中での「コワーキング」用に整えます。食卓など、複数人が座ることのできる、それなりの広さのある平らな場所がよいでしょう。恒久的なエリアにしてはいけません。食事や家族として過ごす時間のための場所も依然として必要です。

それぞれがプラグを差せる電源タップを用意し、ラップトップや追加のモニターをセットアップする作業は数分で済むでしょう。セットアップと片付けを毎日繰り返すのは不便ですが、もっといい「仕事エリア」を整備するまでの出発点です。

全員がマイク付きのヘッドセットを使います。音楽を聴きたいという人がいれば、それもいいでしょう。ヘッドセットを使い、ほかの人にも聞こえるようなら音量を下げるというルールにします。また、オンラインのミーティングや会話の際は、ヘッドセットのマイクを使いましょう――ラップトップのマイクは使いません。

他人がいる部屋では電話の「スピーカー」を使用しないことです。気配りをしましょう。たとえ部屋の中で会話をしているのが一人だけだとしても、スピーカーを使って他人を会話に巻き込まないようにします。

ここからが難しいところです。忍耐力を持ちましょう。誰に対しても忍耐強く接しましょう。日常の喪失は、誰にでも混乱をもたらす可能性がありますし、おそらくもたらすでしょう。子供の年齢によっては、最初は問題ないように見えるかもしれません。当面、落ち着きがなくなったり、いつもより少し怒りっぽくなったとしても驚かないようにしましょう。

忍耐力を持ちましょう。

ゆっくりと自然に問題が解決するまで待ちましょう。家族にとって円満な解決策を見つけ出すことは、家族全員の問題です。親だけの問題ではありません。特にある程度の年齢なら、子供にも発言させ、考えを表明させましょう。

子供の提案はあなたのものより優れているかもしれません。ひょっとすると、私の提案よりも。

全員に

どんなチームでも、何らかの成功を収めようとするなら、一定の信頼が必要です。コミュニケーションは双方向でオープンでなければなりません。これは「ぶしつけ」だとか「ぶっきらぼう」とは意味が違います。メンバーが自己を表現し、自分の懸念や感情を伝えることができるという意味です。

これは無害に実現できます。おのおのに共感と思いやりが必要です。いくつか顕著なことがあります。

「ふつうに戻る」というような話が出ますが、私たちが「ふつう」と言っているものも、昔は新奇なものでした。私がある場所でコードを書いたら、はるか遠くの何百何千という人がそのプログラムを実行できるというのも、ある時点では「ふつう」を揺るがす大きな衝撃でした。それは多くの人やチーム、組織にとっての「ニューノーマル」を作り出しました。

私たちが「ふつう」とみなすようになったものに戻れるだろうというのは、ある種、心地よい考えかもしれません。しかし、社会全体としての私たち、組織としてのあなたが以前の「ふつう」に戻ることは決してないというのも、完全にありえることです。私たちは新しいノーマルの概念に向かって進んでいるのだというのは、完全にありえることです。私たちは現実に向き合わなければなりません。

いたるところで根本的な変化が起きています。たったいま、リアルタイムで、です。逃げ出して隠れることもできます。ニューノーマルを形作るために努力することもできます。それには、進んで助け合い、直近の懸念だけに意識を集中しないようにする必要があります。私たちは協調しなければなりません。

Peter G. Walenは、ソフトウェア開発、テスト、アジャイルプラクティスで25年以上の経験を持っています。ソフトウェアがどのように動作し、他のソフトウェアと連携するか、またソフトウェアを利用するユーザーをチームが理解できるよう支援に尽くしています。Agile AllianceScrum AllianceAmerican Society for Quality (ASQ)のメンバーであり、ソフトウェアミートアップに熱心に参加し、カンファレンスでもたびたび講演しています。

(この記事は、開発元Gurock社の Blog 「Suddenly Working Remote When You Hadn’t Planned On It」2020年3月18日の翻訳記事です。)

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